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アナウンス「今回の人狼ゲームは、村人陣営と人狼陣営のふたつがあります。
村人陣営は、村人5人、占い師1人、霊媒師1人、狩人1人です。
人狼陣営は、人狼2人、狂人1人です。役職カードは自分の名前が書かれているイスの上にあります。役職の詳しい説明はカードに記載されています。
それでは頑張って生き残ってください」
周りはカードを見に動き始めた人や戸惑って動けない人がいて、
でもみんな等しくおどおどしている。
僕も例外ではない。
どうやって弟を生かそうかという不安と恐れで落ち着いていない。
けどその不安は顔には出さない。
心の中だけに閉じておくんだ。
僕の弟を安心させるために。
弟に心配されないように。
そして何より弟にも周りにも弱みをみせないように。
ただひたすら前を向く。
僕のほんの僅かな記憶の中のXは言った。
X「『泣いたって誰も助けちゃくれない。簡単に人に弱みを見せるな同情される前につけこまれるぞ。』これはハーレムビートの言葉だ。だからお前は弱みを見せるな。家族にも。親友にも。恋人にも。どんなに大切な人にも。
なにより君は◯◯の子供だから」
僕は弱みを見せてはいけない。
それが僕という存在だから。
僕「カード見に行こうよ。一緒に村人陣営になれるといいね。(微笑み)」
弟「うん。そうだね。ていうかなんで"にんまり"しているの?」
僕「人聞きが悪いよ。僕は笑顔なだけで”にんまり”はしてないよ」
弟「その顔が!?まぁそういうことにしといてあげるよ」
僕が"にんまり"しているなんておかしなことをいうなぁ。
ぴとっ。頬に手を当てる。そこには確かに"にんまり"している僕の顔があった
けど僕はそのことを知らない。
弟「ほら。早くいくよ~。」
僕「待ってってば‼!」
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