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「歩いていればいいの? 探さなくても?」
怪しく思っていると、うさぎは頷いた。
どうせ行く先も何もないのだ、その程度ならば探してみても良いかもしれない。
「あなたも一緒?」
「ああ、失礼。名乗るのが遅れました。サポートをさせていただきます、時計ウサギのイースターと申します」
時計ウサギなんてますます『不思議の国のアリス』みたいと思い、ふと自分の服を見下ろすと、青いワンピースに白いエプロンドレス……さっきのママの絵本の中のアリスそっくりだ。
「ふぅん。時計ウサギなのにイースターなの?」
「ええ、それが名前なのです。イースターとお呼びください」
うさぎは短い手をひょいと差し出す。
握手しろと言っているらしいので、腰を屈めてその手を取った。
こうして私達のエッグハントは始まった。
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