Executions

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「後9個の卵を探すんでしょう」 「そうでした!」 腰掛けていた木の根元から立ち上がると、イースターはぴょこぴょこと跳ね回る。 二足歩行でもうさぎらしい脚力は健在なようで、急かすようにまだ座っている私の周りを跳び回った。 「ちょっとは落ち着いて……」 諌めようと声を上げると、とさっという軽い音と共に何かが木の上から落ちてきた。 イースターもそれに気付いたのか、ピタリと跳ぶのをやめて音の方を向く。 「……卵」 そこには鳥の巣に乗った縞模様に④と書かれたイースターエッグがあった。 「イースター、これはわざと?」 「いいえ、私はどこに隠したのかすっかり忘れてしまったので……」 これもなんとも嘘っぽい。 しかしここまでで見つけた卵は私が好き勝手に歩いた先に有り、それも何故か順番通りに出てきた。 イースターの指示で探したものではないのに、何故そんなにも都合が良いのか? やはり夢だからだろうとしか考えられない。 「アリス! 4つ目の卵を」 「今割るわ」 ぼんやりと考えていた私を彼が急かす。 どうやらうさぎというのは大変せっかちな生き物らしい。 カシャンと割ると、光の玉が記憶を届けてくれる。 今度は新しい家族が出来ていた。 弟のルイスだ。 私達はとても幸せそうで、祖父母も新しい家族の誕生祝いに駆けつけていた。 映像が終わると、ふと口をついて言葉が出てくる。 「会いたいな……」 私ははっとした。 憶えていなかった時には全く感じなかったけれど、卵を割るたびに少しずつ家族への愛着のようなものが湧いてきている。 1つ目の卵の時にはどこか他人事だった両親の存在は、今ははっきりと家族と認識しているのだ。 「家族に会いたいですか?」 「……うん」 「じゃあ、早く卵を見付けましょう。全部割って、お家に帰るんです」 私は歩き出した。 これまでのように仕方なくではなく、意図を持って。
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