05. 完璧令嬢からの糾弾

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05. 完璧令嬢からの糾弾

 まあ……! 彼女、グレッグお気に入りの「乙女の……」のヒロインに似ているわ。健気な雰囲気をもったその令嬢は、シャルロットと名乗った。あら、名前まで似ている気がする。彼女は私が挨拶すると、花が咲いたように笑い、会えた喜びを熱心に伝えてくる。良かった。悪い人じゃなさそうね。ホッと一息つきお茶を飲むと、カレン様が興奮気味に話しかけてきた。 「そうそう、レイラ様! 昨日の事、噂になっていますわよ」 「噂? なんでしょう?」 「昨日グレッグ様に、ケーキを食べさせてあげたでしょう? その仲睦まじさったら、うらやましいかぎりです!」 「あ、あれは……」  私がとまどって声をつまらせていると、ケイティ様も目をキラキラさせてこっちを見ていた。 「私も聞きました! グレッグ様がレイラ様のために、たくさん本をプレゼントしていたとか!」 「まあ! 本当に素敵! 私の婚約者なんて、最近デートにも誘ってくれなくて……」 「私も同じですわ! 私の婚約者なんて誰か別の女性に会っているらしくて、婚約解消もありそうですの」 「「それに比べてグレッグ様は素敵だわ〜!」」  どうやら昨日の事はあっという間に、噂として広がっているようだ。なんだか恥ずかしくなって、思わずハンカチで口元をおさえる。 「あら! レイラ様の刺繍、素敵ですね」 「流行りの色使いで、さすがです!」
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