時代遅れの独り言

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トングを握りしめ「ちょ……ちょ待てよ~……Oh May God!」と恥ずかしげもなく叫ぶ俺に店員は言った。 「すみません、今解凍してますんで……後、30分くらいお待ちいただけますか?ウチはご飯ものもピッツアもスイーツも自慢ですから……。」 馬鹿野郎、俺は肉を食いに来たんだ……。ちきしょう他人の事をとやかく言った心がけが悪かったという事か……。まあいい勉強にはなったな。で、次はケセラセラで考えよう。 俺は追加の大ジョッキとキムチを持つと席に戻った。キムチをつまみながらビールを吞む。 周りは皆楽しげだ。うん、食べ放題の店ってのはこうでなくっちゃな。考えてみれば俺も周りのみんなもそれぞれが主役だ。我を張っちゃいけねえ。 そう思っているとさっきの店員がやって来てカルビ、ハツが載った皿を持ってきて俺の前に置いた。 「今はこれが精いっぱい……。」 その言葉に軽く笑みを返すと俺は思った。早いうちにリベンジに来るか。で、そん時はカレーとピザも食ってみるか。固定観念って奴は常に打破されねばならない。 俺もまだまだ若い部類かな?そうだ、次はダチと来るか、こういう店は一人より複数の方がいいだろう。 ただ、あいつベジタリアンだったかな。まあ、ここはサンチュもキムチも旨いからな。俺は肉を焼きながらクスリと笑うと、ビールに口を付けた。 ー 完 ー
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