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部屋に戻ると、幽玄の部屋なのだが阿紀良が出迎える。
「宿題やるって言ってただろ?」
その手にワークやドリルを持っている。
面倒くさいが、今朝からむやみやたらに出歩き禁止令が発令されている。
おちおち遊びにも行けない。
仕方なく、幽玄は座るとカバンから同じワークとドリルを取り出し机に広げた。
「なぁ、阿紀良。いつまでこの状態なんだろうな」
何気にそんな愚痴を幽玄が溢す。
「どうだろうな。オレには分かんないけど」
阿紀良は気にする様子も無くそう答え、ワークに熱中している。
普段から阿紀良の方が真面目なのだ。それを幽玄は知っていた。だから宿題はいつも見せてもらっている。
幽玄はぼーっと窓の外を眺めていた。
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