②奇妙な登校

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「で、また〝ラフレシア〟でランにしてやられた、と」 そう締め括る阿紀良に、幽玄はコクンと頷く。 「はぁぁぁぁぁっっっっっっ。何でいつも何か抜けてんだよ」 頭を抱えて阿紀良は項垂れた。 「それで気が付いたら、あの不知火の家に転がり込んで朝になって帰ろうとしたら、学校まで引きずられた。と」 「ちなみに、アイツの家の弟妹が『ギャングツインズ』だったぞ」 「え、マジか!! あのヤクザ大好き皆友達的な変わりガキども……通称〝ギャングツインズ〟か」 それはここいらの世界ではある意味有名だった。 極道大好きちびっ子双子が存在し、三輪車に乗り物怖じせずヤクザというものに話しかける。 根源はヤクザ大好きなだけあって大意は全く無い。 子どもに好かれ、人懐っこく話しかけてくるその姿に、気が付けば組の垣根無く親しくなっていた有名なちびっ子であった。
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