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それが斑雪の弟妹だったとは、二人とも驚きである。
「意外だ。あの有名ツインズと斑雪が身内で、その家にユウが転がり込むとは」
「いや、普段ならこんな醜態は晒さない」
阿紀良の言葉に対してムッとすると、幽玄は反論する。
大体それはご尤もな言い分だった。
阿紀良も幽玄が酔い潰れるとか、今までみたことがない。
だから余計に、帰らない幽玄に対して焦ったのだ。
「まぁ、俺と組との関係性はバレてないし問題ないだろう」
そう言いながら、「ふぅ」と息を吐き幽玄は眼鏡をかけ直す。
「取り敢えず、この話題はこれで終わりだ」
そういい、締め括るとこれ以上の詮索を止めた。
気にする必要もないと、幽玄が判断したのだ。
阿紀良はそれ以上深入りすることは許されない。
「では、このまま今の状態を『継続』ということだな」
一応、阿紀良は幽玄に確認する。
その言葉に幽玄は「ああ」と頷き、それを指示する。
──……さて、今日も楽しい高校生活の始まりだ。
そう告げ、二人は旧校舎を後にした。
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