②奇妙な登校

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◇ 学校帰りの前には、委員会というものがある。 真面目な陰キャとしては、参加は必須であった。 一番めんどくさくないものとして、図書委員というモノを選ぶ。 こんな高校で放課後に図書館で真面目に勉強するような模範的な生徒は、壊滅的にいなかった。 当たり前だが、本自体借りられることが殆んど無い。 結論:よって委員会の仕事はそこまで無い。 図書室で時間を潰し、たまに本の埃を払い、司書と位置付けられている女性教師の指示に従い、で終わり。 頭も肉体も使わなくていい、面倒くさがりな幽玄にはピッタリな活動であった。 それに図書室にいれば、誰もいないし何していても特に問題はない。 図書館に置いてあるパソコンも、使いたい放題である。 幽玄はちょっとだけその図書室のパソコンに細工をして、セキュリティを付加する。 そして何食わぬ顔で家業の仕事用に使っていた。 「それにしても……この高校の生徒はホント学生としての本分というか、学校通う目的なんか間違ってるよな」 幽玄自体が言えた柄ではないが、幽玄はふっとそんな事を思ってしまう。
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