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案外斑雪という人間は逞しいらしい。
ヤクザの経営する店舗に詐称など……気付かなかったのであろうが、それでもなり振りかまわない状況なのは読み取れていた。
「案外、窮鼠なんとやら、になりそうな予感もする」
クラスメイトのそんな奴が、自分の組の店でバイトしていて鉢合わせ。
色々考えてもあまりいい状態ではない。
「今スグ解雇致しますので!」
店長は蒼白になりながら、そう釈明する。
「バカか! そんなことしたらバレるだろっ!」
そう声を荒げ横目に考えながらコツッ、コツッ、コツッ……、と指で机の淵を弾く。
そしてその指が止まると再度、店長を呼んだ。
──……幽玄はふと一つの賭けに出ることとする。
「おい、ちょっとアイツ呼んでくれないか?」
そう言いニヤリと笑う。
とりあえず幽玄はこの出来事の尻拭いとして、自分の得意分野はフルに活用することにした。
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