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「何でだろうなぁ」
クスクス笑いながら、それ以上ヒントのカードは出すことなく、白夜は奥へ戻ってしまった。
再度、阿紀良に目を遣ると『何も知りません』と言わんばかりに目線が合わない。
合わないのではなく、阿紀良は一切こちらを見ていなかった。
本音を言えば問いただしたかったが、そんな気力も体力も無い。
「阿紀良、お前には言いたい事と聞きたいことが死ぬほどあるが……先ずは風呂入る」
溜息と共にカバンを傍の者に渡し、幽玄は躊躇いも無く風呂場へ向かって歩き出した。
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