④愉快でウザい兄貴たち

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「あのなぁ、ゆら兄の思うことは何も無かったですよ?」 「不知火斑雪(しらぬいふゆき)って子かな。けっこうおもしろい経歴と性格をお持ちの様だね」 「──……!?」 幽玄はびっくりして咄嗟に玉響をガン見する。 何食わぬ顔で、玉響はぶっ倒れたままであった。 ただ、この兄の変態な所以は快楽ではなく興味関心にも興奮し、勃起する。 「──……ゆら兄、興味を持つのは良いですが、弟の前でギンギンに反応するとか、その可笑しな性癖は何とかならないのか?」 「失礼なっ! これはお前に向けたものではないっ!」 「分かっとるわっ!!」 はぁーっ、と頭を振ると、幽玄はそんな兄は無視して湯船に浸かる。 何でこんな訳の分からん兄たちに囲まれて暮らしているのか、理解できない。 「だから結局俺に白羽の矢が立つんだよ」 「──……それはすまないと、僕も白夜も思っているさ」 それは誰に言う訳でもない呟きだったのだか、玉響が少し寂しそうな笑みを浮かべ謝罪する。 「ウチの家業をお前に背負わせることになるのは……申し訳ないと思っている」 「いえ、これは単なる俺の戯言です。聞き流して欲しい」 幽玄はこの宿命を恨んだりはしていなかった。 別に兄たちを呪うこともしていない。 ただ、今は単純に興味が無かったのだ。
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