①普段と違う朝

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既に起き上がってパンの耳と何故か、マヨネーズを冷蔵庫から持ち出してきた。 「寝ぼけてるの? 同じクラスの不知火だよ、不知火斑雪(しらぬいふゆき)。はい朝食っ! 今日は不動くんの為に特別サービスのマヨネーズ!」 有無を言わせないテンポで、幽玄は差し出されたパンの耳とマヨネーズを受け取る。 気が付いたらちゃぶ台が横に置いてあり、双子の幼児たちがせっせと布団を片付けていた。 「お前邪魔だぞ」「さっさと起きなさいよ」 そんな毒舌と共に幽玄は隅へ追いやられ、気が付けばちゃぶ台の一角に座らされていた。 (それにしてもこれはどうこうことだ?) 幽玄は理解できない思考回路をフル動員させる。 「何で俺はここに居るんだ?」 結局行きつく質問はそこである。 「えー全く覚えてないの!? 不動くん路地裏で酔いつぶれてたじゃん。びっくりして声を掛けたら『今日はハシゴなっ!』とか訳わかんないこと口走って、付いてきちゃって、一番先に家に上がり込んで寝ちゃったんだよ」 ケタケタ笑いながら状況を説明してくれる。 (ちょい待て、俺が酔い潰れた!?) その言葉に幽玄は絶句しながら、昨日の事をサラってみた。
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