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「あんなガキに振り回されてっから、こんな低落まで発展するんだろーが！」
幽玄の本気でイライラが止まらず、不穏な空気が流れる。
幽玄がブチ切れると落ち着かせるのに一苦労で、大体数名は骨折等々負傷者が出る始末であった。
最後には、阿紀良が押さえ込み何とか感情をコントロールするよう進言され、落ち着くという流れである。
しかし今、阿紀良は先に学校へ登校している。
数名で「すいませんっ！」と叫びながら飛び掛かるが、暴れ狂う大猿を相手にしている様で、全く効果はない。
気が付けば母屋ではちょっとした修羅場と化していた。
特攻隊の勢いで止めに入った若者に、幽玄は容赦なく回し蹴りをお見舞いする。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」という叫び声と共に、その場の者は全員、その者の死を覚悟した。
まさに特攻隊状態だった。
その場の者全員は、叫び声と共に叩きつけられる音を予測していたのだが……。
──続きは待てどやってこなかった。
代わりに、「うっ！」という小さい呻き声と共に壁に叩きつけられたのは、意外にも幽玄である。
「い……たぁっ……。幽玄、これは流石にいただけないぞ……っ」
その傍では、珍しく自分の腕を抱えて玉響が蹲っていた。
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