⑤騒がしい日

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そんな珍しい二人の登場で、その場の空気は一気に冷えて全員に緊張が走る。 一番イラついていた幽玄も怒りさえ吹っ飛び、我に返る。 「やれやれ、やっと戻って来たか」 そして白夜は「で、何が今回のトリガーだったんだ?」と面白そうに尋ねる。 「ホントだよ、僕の腕まで犠牲になったんだからね」 「いや……それは勝手に」 幽玄が突っ込もうとした時、横から「兄貴ぃーっ!! ありがとうございますっ!!」と涙ながらに駆け寄ってくる。 それは先程、特攻要員と位置付けられていた若い奴だった。 それはもう泣きじゃくりながら玉響に礼を言い頭を何度も下げる。 「ハイハイ」と言いながら玉響はそれを宥めていた。 そんな二人を横目に、白夜は幽玄に答えを求めた。 「いや……あのギャングツインズに絆されて騒いでたから、粛清しようとしたまでだ」 幽玄なりの正論に白夜は真顔になり、結論を述べる。 「ふぅーん、まあ幽玄にはその権限は無きにしも非ず。だが、まだ早い」 そう一刀両断する。 「お前は確かに位置的に時期組長かもしれない。だが今は単なる組長のイチ息子ってだけだ。イチ息子だからって、何でも好き放題していいわけではないからな」 「そうだね。いくら無法者の集団って言ったって、極道には極道の秩序ってのは大切だよ」 そう付け加えると、玉響も立ち上がる。
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