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「お前らの兄の事なんざ、コッチは何も関係ないが」
幽玄は結論を淡々と伝える。
「そうだっ! 関係ないっ!!」
「こっちの都合よっ!!」
その言葉に、双子は火が付いたように叫び出し幽玄に反論する。
かなり興奮しているのであろう。
肩で呼吸しながら、瞳には悔しさのためか涙を溜めていた。
幽玄はそんな双子を見て、ニヤリと笑みを浮かべる。
「分かり切っているじゃねーか。ならなんでこんなところでチンタラしてんだよ。今更こんなヤクザもんに助けを求めに……とか縋る気なのか?」
「そんなんじゃないわっ! バカにしないでっ!!」
桜子が激怒する。
しかし、桜輔は違っていた。
「お前らに助けてって言ったら、助けてくれるのかよ……」
そんな小さな言葉を幽玄にぶつけてきた。
幽玄は「へぇー」と言いながら笑みを浮かべる。
こいつらにもそんな感情があったのか、と人間臭さを出したことに感心した。
だが、それに気づいた桜子が声を更に荒げた。
「ちょっ! 桜輔っ何言ってるのよっ!!」
想定外だったのであろう、桜子がビックリして桜輔に目を遣る。
そして、腕を掴むと「アンタ何言ってるのか分かってんの!」と引っ張る。
「俺らには関係ないな。それなりの対価積むんなら話は別だが」
畳みかけるようにそう告げる。
兄たちの手前、一応顔を出してその場を収めた。
それで十分だと、ほくそ笑む。
その笑みに双子は感情を再燃させる。
「お前なんかに頼んねーよっ!!」
「いい気になってんじゃないわよっ!!」
なんて、今どき使わない捨て台詞を発して、その場を爆走していった。
二人が去る姿を見送りながら、幽玄は腹を抱えて爆笑する。
「なんだよ、あのセリフ。今どき使う奴とか居たんだな」
そんな揶揄いを含ませながら、只々噴き出し笑い倒していた。
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