①普段と違う朝

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使える部分がしっかりしていたら、後は不問なのが暗黙のルールである。 「大丈夫よ。今日ははっちゃけたい感じでしょ? たまには酔いなさい♡」 そう言い、ランは一杯のカクテルを差し出した。 ブルーの色が淡い店内で映える。 幽玄は「ふーん」と言いながら、無言でランに説明を求めた。 「今日は〝エクソシスト〟をベースにアタシのオリジナルよん。ある意味厄払いってニュアンスを含み……って、うんちくはどうでもいいわね。どう? ぶっ飛ぶわよ」 ニヤリと不敵な笑みで提供されるそのカクテル。 幽玄はフッと笑うと「お前長生きできねーぞ」と吐き捨て、口に含み堪能すると喉に流し込む。 (いや……その後……あれ、その後は……) その後の記憶が……幽玄の脳にはインプットされていなかった。
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