①普段と違う朝

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仕方なく、黙って与えられたものを食う幽玄。 もう何でこんな結末なのか、考えるのもめんどくさくなっていた。 とりあえず茶番は適当にして、家へ帰ろうと画策する。 時計を見ると、見たことの無い壁掛け時計がボーッンと鳴った。 (七時半なのか……それにしてもなんてレトロな) ゼンマイ式の壁掛け時計を見ながら、余りにもレトロ過ぎて逆に感心してしまう。 音と共に「ではそろそろ帰るわ」と立ち上がる。 しかし斑雪はキッ! と幽玄を睨み付けた。 「帰るって、学校は!? ここからなら間に合うから登校するのよっ!」 元気に正論を押し付けドヤ顔の斑雪。 まじか!? と幽玄は呆気に取られてしまっていた。 幽玄は取り敢えず帰りたかったのだ。 風呂にも入りたかったし、何より体中が痛い。 床に寝ていた状態だからであろう。けっこう体中がボロボロだった。 ついでに二日酔いが体に追い打ちをかける。 「いや、兎に角帰ってリセットする……」 そう言ったのだが、斑雪には届かなかったようであった。 そして、そのままズルズルと自転車まで漕がされて、二人は仲良く登校することとなった。 今までこんなに主導権を握られたことは、後にも先にも幽玄は記憶したことが無かった。
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