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どちらにしても真帆には全く理解のできないものだった。けれど、この月夜ヒカリは太宰イサムと親しくしている。ヒカリのつぶやきのほとんどに英二……いや、イサムからのコメントがつき、ヒカリからは「イーさん」などと呼ばれている。
ふつり。
腹の底が沸騰したような気がした。
英二がウキウキとしていたのは、これが原因だったのだ。見ず知らずの現役女子高生と交流ができる喜び。リアルでは絶対に親しく口など聞いてくれない彼女たちが、このサイトの中では声をかけてくれる。返事をしてくれる。英二はそれがうれしいのだ。
真帆は少し考えて自分もそのサイトへと登録をした。そして、フリー画像を漁り、いかにも現役女子高生といった一枚を選びだす。画像の色味をおさえ目もとをスタンプで隠し、さも、それが本当の自分であるかのように加工し、アイコンに設定する。
名前は──まのん。
高校一年生だ。プロフィール欄もそれっぽい言葉で埋め尽くし、英二がフォローしている高校生を片っ端からフォローしていく。もちろん月夜ヒカリも。
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