第1章 なんでこうなった?

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今日の電話はその妹の一人娘の華ちゃんの1歳の誕生会を2週間後にするので来るようにということを一番伝えたかったことらしい。 …ちゃんとお誕生日のプレゼントも持ってくるのよ。 「もちろん、わかってるって」 …まだ1歳だからチョコレートは食べれないって。あと華ちゃんにはアレルギーがあるからピーナッツは食べれないからね。あ、フルーツのいっぱい乗ったケーキならたべれるかしら。生クリームのケーキがいいかな… しばらく母の何のケーキがいいかの話が続く、つい面倒になって聞き流す。 「わかってる、早苗から聞いて知ってるよ。最近歩き始めたことも、少しおしゃべりすることも、先週動物園に行ったことも。」 知っているのはSNSで見て知ったんだけどね。知っているのは確かだから聞いたことにしておこう。 …おじぃちゃんたちも呼ぶからおじぃちゃんが好きなあのお菓子買ってきてね。 「あ、あのお饅頭ね。わかった。」 …あと彼氏もつれてきてね。 「わかって…ん?なんて?今なんて言った?」 …だから彼氏。もちろんいるんでしょ?もしかしていないの?いないならお見合い探すわよ。今ならまだいくらでも見つけられるからね。年上、年下、同い年、どういう人が好みだったっけ? 「い、いや、いる、います、います。彼氏いるから。お見合いしなくていいから。」 そうだった、先月の電話で彼氏いるって宣言したのだった。いないんだったらお見合いだって言われていたことをすっかり忘れていた~失敗した。 …香織、あなたももう27歳なんだからはやくけっこ… 「もうわかったから。出かけるから切るね。じゃ。」 はぁ~長いため息が出る。 朝はあんなことがあったし、昼はこの電話だし‥ 私も彼氏ほしいし、ご縁があれば結婚はしたいのよ。ただまだそのご縁が手元に来ていないっていうだけ…
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