第2章 あなたはだぁれ?

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週明け月曜日、私の朝はいつも早い。 仕事はいつも9時からだけど、遅くても8時15分には出社し、専務室、秘書室を掃除して、自分の席につき、その日の予定を確認しておきたい。秘書課のある7階のトイレも簡単に掃除している。専門の清掃業者が入るんだけど、やっぱり朝一番に窓を開けて新鮮な空気を入れたいし、汚れがないかチェックして朝から気持ちよく働きたいから。 これは私が秘書課に配属になった時、憧れていた3歳年上の峰岸 智花(みねぎし ともか)さんがいつもしていたことの真似。秘書課3年目になり、あの頃の智花さんと同じ年になったというのに、まだあの頃の智花さんほどまだ完璧にはできていないものの、すこしでもいい形にできるよう毎日頑張っている。その智花さんは今は秘書室の副室長となって、みんなのフォローに回っている。 黒目がちな大きな瞳にいまだに一度も染めたことのないらしい艶々の黒髪、165cmある私からすると小柄な157cmでつい抱き締めたくなるぐらいかわいい智花さん。 いつか追い付きたい、目標としている先輩だ。 「佳織さん、おはようございます。」 「響子ちゃん、おはよう。」 私より2歳年下の東 響子(あずま きょうこ)ちゃん。 社長の第2秘書をしている。 響子ちゃんも智花さんと同じように157cmぐらいの身長に強い意志を感じる大きな瞳をもっている。いつも明るく頼りになる後輩。
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