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結婚式の時の美咲はいつも以上にきれいに輝いていた。
「うん。本当に幸せそうだった。」
「佳織先輩は結婚式で新しい出会いはなかったんですか?広瀬さんのお友達とか…イケメンの友達はやっぱりイケメンでした?2次会まで行ったんでしょう?」
「新しい出会いなんてないない~あまりお友達は呼んでなかったみたいだった。職場関係のほうが多かったぐらいよ。数人来ていた友達で話した人は既婚者って言っていた。」
あ、新しい出会いと言えば…あれは、新しい出会いと言えるのかな…
あの美しい寝顔の人。
そこに今日も美しい智花さんも入ってきた。
「おはよ、佳織ちゃん。週末の結婚式良かったらしいね~田村から聞いたよ。佳織ちゃんの同期も去年から結婚ラッシュだね。」
「はい、智花さん。どんどん結婚してますね~あと結婚してないのは…三人かな。」
頭の中で顔を思い浮かべながら答えた、営業部の北村、人事部の橘 涼と私だ。土曜日の結婚式でも、あと三人だね~と話した。
北村の彼女の話は聞いたことはないけれど、人当たりがよく同期の中でもリーダー格で、言わないだけで彼女はいるんだろうなと思っている。聞いても答えてくれないけど…
入社した時には11人いた同期で今も残っているのは7人のみ。毎月のように同期会をして集まる仲のいい仲間でありいろんな大変な時を過ごしてきた戦友でもある。
智花さんが田村と呼んだのは営業部の田村課長で智花さんの同期で新郎の広瀬の上司でもある。結婚式では緊張して飲みすぎてぐだぐだなスピーチをしていた人だ。営業部長ならお酒を飲んでもお話が上手だというのに、残念ながら親族の結婚式と被ったということで欠席、代わりにと課長がスピーチをするよと言ってくれたらしいんだけど…話し上手な人が多いうちの営業部だけど、田中課長はお酒に弱いからスピーチ前に飲ませちゃいけないんだった…とスピーチ後に同期の北村が反省していた。
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