第9章 彼氏?仮彼氏?

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俺に少し時間をくれ、かおり。 必ず、俺を好きにしてみせるからさ。 「じゃあ、3か月。」 「はい?」 「3か月だけやる。その間に俺のことを知って好きになれ。お前が俺のことを好きになるまで、そうだな、仮彼氏ということにしておこう。」 彼女の返事が怖くなり手元のジントニックをどんどん飲み進める。 心底不思議そうな、少し困ったような顔をしてる、かおり。 そうだよな、今日断ればもう会わないというなら話は別だが、俺は取引先、今後も会うことはあるだろうからむげに断ることもできないと考えているんだろう。 さ、どうする? 「弥生さ~ん。」 かおりは弥生を呼んだ。 困らせたか? 「大丈夫よ、佳織ちゃん。桐生湊という人間は信用できる。仕事もできる男だし。友達としてもいい奴。まぁ男としては、ん~まぁねぇ。この容姿だから。女の子が寄ってくるのは仕方がないでしょう。ここ数年、不誠実な対応をしたという話は、少なくても私は聞いたことないし。佳織ちゃん、何かあったらいつでも相談してね。私と如月祐悟が何とかするから。佳織ちゃんは私にとってただのお客さんじゃなく大事な友達であり妹だからね。」 ん?弥生、俺を落としてないか? 応援してくれているのか‥‥?どうなのか。 俺とのほうが長い付き合いだというのに、どうやら祐悟までかおりの味方だと言うらしい。
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