第1章 なんでこうなった?

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同じベッドには男がすやすや寝ている。 男…よね? うん、男だ。 一瞬悩んだわけは、睫毛が私より長く、肌がきれいすぎる男だったから。 負けそうだ、そう思った。 寝顔がかわいい。 目を閉じていてもわかるほどの大きい目、右目の斜め下には小さなほくろもすごく色っぽい。 男と確信できたのは筋肉質な上半身が掛け布団から出ていたから。その肌だってつるつるで、吹き出物なんてできたことなさそう。 つい触りたくなる… ん?冷静に隣の男を観察している場合じゃなくて… いまこの状況をよくよく考えてみよう。 今の私は… 少なくても掛け布団から出ているのは私の裸の肩だ。この腕も私のものだ。 布団の中は… ん、ん、ん? 私の体に密着しているはずの下着が何もない。 寝るときは裸派です、というわけでもない。 布団をめくって目視してみよう… あ、あ、あ、裸だ。 なにがどうなってる? なにがどうなった? 体には特に違和感はない、気はする。 どこも痛いところもない。 きっと何も変化はない、ただ裸なだけ。 今の私には彼氏はいない。ここ数年いない。 念のため言っとくとセフレ的な人もいない。 ソフレもいない。 初めて会った人と寝る習慣もない。 で、この隣の人は…誰? 見覚えがあるような気はするのに…思い出せない。 この目じりのほくろ…どこかで見たような…気のせいだろうか。 こんなきれいな顔立ちの人、一度見たら忘れないだろうに… なのに思い出せそうで思い出せない。 寝顔じゃなかったら思い出せるだろうか… いや、起こす勇気はない。
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