第1章 なんでこうなった?

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そして、そのあとの記憶が…ない。 気が付いたらひどい頭痛とともにここに寝ていた。この驚くほど容姿の整っているこの男と一緒に。 こういう場合、この人を起こしたほうがいいのか、黙って姿を消したほうがいいのか、正解はどっち? この場所、ホテルの部屋っぽくない、この男の人の部屋ってことなのかな。 酔っぱらった女を自宅にすぐに連れ込む男ってこと? まさかこのまま監禁とかされたら… 何て急に怖い想像が頭をよぎる。 あ、怖い、逃げよ。逃げなきゃ。 静かにベッドから降りる。 音を立てないように自分の服を探す。 ベッドのわきには服が…残念ながら落ちてない。 私の服はどこ? 仕方がない、裸のまま静かにこの寝室から外に出るドアを開ける。 カチャ 向こうに誰かいたらかなりピンチだけど、急いでいる今はそれどころじゃなく… 何この広いマンション… リビングだけで軽く30畳以上はありそう。その向こうにはキッチン?どれだけ広いのよ、ここ。 そのリビングにある立派なL字型のソファの上に見覚えのある私が昨日着ていた結婚式用の紺色のワンピース! 下着は… あれ?見つからない? あ、あった、ブラジャーは見つけた。男物のシャツの下に落ちてるのが見えた。 後…パ、パンツはどこ? ひとまずこのままでは恥ずかしいのでブラジャーと昨日のドレスは着てパンツを探す。 お尻がすーすーする。 男物の服を注意深く持ち上げて下を探す。 最終的に私のパンツがあったのは…男物のスラックスの下… はぁ、何があったのか想像したくない。 昨日の私の記憶、かえってこ~い。 いや、やっぱりかえってこなくていい、きっとすごく恥ずかしいやつだ。
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