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「焼肉ピザLLサイズください」
初めて入ったピザ屋にて、俺はついメニューも見ずに注文してしまった。
焼肉ピザとは、上にタレのかかったカルビがこれでもかと載っているピザで、実家の近くのピザ屋の看板メニューである。
ピザ屋の前の写真を見ていたらピザが食べたくなった。
ついでに目の前の焼肉屋から肉の焼けるいい匂いがして、故郷の焼肉ピザが頭に鮮明に浮かんだのだ。
なので気がついたら故郷の懐かしいピザを注文してしまっていた。ちなみにLLサイズなのは冷凍して保存しておきたいからである。
店員の女性の目がこれでもかと丸くなる。
あ、やっぱりないのかと、メニューを見ずに注文したことを後悔しながら俺は目を泳がす。
さりげなくメニューを見ようとすると、店員の女性が完璧な営業スマイルを浮かべた。
「かしこまりました。こちらへどうぞ」
そう言ってなぜか店の奥へ案内しようとする。
なぜピザを注文しただけで奥に案内されるのかわからず、俺は首を傾げながらも店員について行った。
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