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「どう考えても反抗期でしょ。」
「もー皆そう言う。違うの!そんな軽い言葉で表される悩みじゃないの!」
「もうその考え方が反抗期。」
「咲楽は私より2つ上の18歳でしょ?遅くない?反抗期。」
「いつか天海にも分かるわよ。というかそんな反抗期なんて可愛いものじゃなくて、こう…自分の生き方について真剣に考えてるの!
小雪も20歳なんだから分かるでしょ!?」
「まあ、私にもなかったわけじゃないから分かるけど…。
でも、まだ私たちは一族の役に立っているからやりがいあるじゃないの。」
「今咲楽大忙しだもんね。春は咲楽の季節だ。」
「そりゃ分かってるよ?一族支えているのは私たちの存在を知っている政府のごく一部。力を貸す代わりに資金、資源全て援助してもらっている。
で、外国からお客さんを招くために桜を咲かせてほしいって…まあ、分かるけどさ!
じゃあせめてもっとこう…役に立つ力がいいじゃない!?口から灰が出るのってすごく嫌!」
「役立つってねえ…。
”人魚姫”の語り部だから私は海の中でも息ができるくらいだし…。まあ、夏は海水浴で落し物拾いで大活躍だけど。」
「私もねえ…。
”ゆきおんな”の語り部だからイベントで雪を降らせるけど自分に役立つっていったら、アイスを溶かさずに食べれるくらいだし…。
…ねえ咲楽。悩むことは良いことよ。
でも、私が至った結論を言うとね。今が一番、よ。
何百年もかけて御当主様は呪われた私たちを集めて政府と交渉して島に移り、生きていけるように仕組みを整えた。そりゃ私たちの一族はそんなに人数はいない。
でも、ここまで平和になるためにいくつもの試練を乗り越えてきたの。
いつか、それに気付くはず。」
「”オオカミ少年”の語り部とか”眠り姫”の語り部とかはあの社会では生きていくのは難しいだろうからね。」
…その通りだ。分かっている。
頭では理解しているし私の心がそうだと指し示してくれるが、素直に認めたくない。
…これでは本当に子供の反抗期だ。少しむくれて見せると小雪は苦笑いを返した。
「ゆっくりでいいのよ。ゆっくり受け入れたら。」
その言葉に頷いた時、遠くから小雪を呼ぶ声がした。
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