祈り

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祈り

   私の名前は如月(きさらぎ)さくら、私は祈ればなんでもかなってしまう、しかし、ときどきかなわないときがある、なぜだかまだわからない。   〜〜学校〜〜 「おはよぅぅぅ、さーら!」 「おはよ、なぎ〜。」 私はなぜかさーらと呼ばれている、多分、さくらの初めのさ、と、らをとったのだと思う。  凪というのは私の親友の皐月(さつき)凪咲(なぎさ)のこと。 「今日の1限目は体育だよ〜、いそご!さーら!」 「う、うん。」 「海夏人(みなと)くんもいるよ〜。さーら!」 「からかわないで!」 私には好きな人がいる、幼馴染の九藤(くどう)海夏人だ。 「だって、面白いんだもん。」 「もぅ。」 さくらと海夏人は休み時間には必ず会い、授業中はたまにメールなどで話していたくらいに仲が良かった。   ー体育ー 「ほら!海夏人くんがバスケのシュート決めたよ!」 「はいはい〜」 「反応薄っ!」 「そうかな〜?」 「ほらっ、こっち見たよ!」 海夏人はさくらに向かってガッツポーズをしながら微笑んだ。 そう、海夏人もさくらのことが好きなのだ。 両片思い…。  〜社会〜 「ね〜、さーら、社会の提出物忘れたから、先生が提出物のことを忘れてもらうように願ってくれない?」 「え〜。」 「おねがい!」 さくらの力のことは凪咲と海夏人には言ってた。 「でも、この力はそんなふうに使うものじゃ…。」 「まじで!お願い!」 「わかった、わかった、今回だけだよ〜。」 「ありがとっ!」 「屋上に行ってくる。」 「ほんとにありがとっ!」 さくらの力は桜の木の下でしかはたらかなかった。 と言っても、願いを叶えるためには代償が必要だった。 『社会提出物なしになりますように、お願い!』  ーー放課後ーー 「ほんとにありがとっ!」 「別に良いって。」 2人には1つ言ってないことがある、それは願いを叶える代わりに出る代償だ。 「さくら、お前また力を使っただろ。」 「海夏人、でも…。」 「お前な前にも言ったけど、その力は使ったら何が起きるわからないんだぞ!?」 「私がさーらにお願いしたの。」 「凪咲、お前…。」 「もう良い!!!!!」  私は最近まで気づかなかったけど、凪咲と海夏人は私の見えていないところでは仲がとても悪いそうだ。 「じゃあ、言うなよ!」 唯一、私の前で2人が喧嘩するときがある、それは、願いの力を使ったときだった。
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