サクラキライ
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桜がキライな理由なんて特にない。 ただスキじゃないって、それだけのこと。 降りしきる薄紅の花弁を見ると思い出す人とかもない。 桜の樹の下に埋まっているのはきっとあの人だなんて思い浮かべたりもしない。 傷を負ってまで手折ってくれた桜の一枝はとおに枯れてしまったからすべての想い出とともにもう捨ててしまったんだ。 そんなことを軽々しく呟いたあの人が、あの一言が許せなかった。 ただ、それだけのこと。
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