サクラキライ

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
桜がキライな理由なんて特にない。 ただスキじゃないって、それだけのこと。 降りしきる薄紅の花弁を見ると思い出す人とかもない。 桜の樹の下に埋まっているのはきっとあの人だなんて思い浮かべたりもしない。 傷を負ってまで手折ってくれた桜の一枝はとおに枯れてしまったからすべての想い出とともにもう捨ててしまったんだ。 そんなことを軽々しく呟いたあの人が、あの一言が許せなかった。 ただ、それだけのこと。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!