ドラゴンさんの友人曰く

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ドラゴンさんの友人曰く

皆さん、知っていますか? この世界にはドラゴンがいないということを。 皆さん、知っていますか? この世界にはドラゴンがやって来るということを。 星が一つ、流れ落ちてくる。 あれに見えるは竜星雨。 幻とさえ言われる種族、ドラゴン。 彼らの全ては謎に包まれております。まるでどこかの吸血鬼や人魚のように闇と霧に包まれているかのよう。 実際彼らがそのような場所に生きているかと言えばそうと限ったことではないのかもしれません。中にはまさにそこで息を潜めながら生きる者もいるのでしょう。ですが彼ら全員がと言えばそうではありません。 それほど彼らドラゴンという種族は多彩に富んだ生態を成しているのです。 さて、再度言いましょう。ドラゴンという種族は全てが謎に包まれているのです。その姿、行動、鳴き声、姿が謎なのです。 では何故「ドラゴン」が存在していると言い切れるのか。 簡単な話です。彼ら自身が「いる」と言っているからです。 ドラゴンは人から身を隠し、距離をおきます。その理由は「人が嫌いだから」。 いつの時代も人はドラゴンに魅力を感じます。それはドラゴン体の一部が加工された物、「アイテム」と呼ばれる商品でございます、それの価値が極めて高いため。 人が欲しているものは「ドラゴン」という生き物ではなく、「ドラゴンから摂られた」「ドラゴンから作られた」製品なのです。なんという迷惑な。 人はドラゴンを追いかけ回しました。ドラゴンは逃げ隠れました。 人が強かったから? ドラゴンが弱かったから? いいえ逆です。ドラゴンという種族は他のどの種族よりも強く誇り高い。まさに皇帝とでも呼べるでしょう。 だからこそドラゴンたちは逃げたのです。人を相手にすることがどれほど無意味なのかを理解していたのです。 愚かでかわいそうなニンゲンちゃん。 そんなことにも気がつかず、人はドラゴンを追いかけ回し続けました。 ドラゴンは世界を飛び、世界へ渡りました。彼らは旅をします。命の続く限り、己の居座る場所を求めて旅をするのです。そして辿り着いた場所こそ、彼らの治める理想郷なのです。 そんな世界に人など無縁。見ることも立ち入ることも許されず、ただ幻となった存在を人は夢見続けるのです。 どうしてそんなことを知っているのかって? ドラゴンが嫌うのはニンゲンだけですよ。 私はしがない吸血鬼。ドラゴンともよくお話をいたします。 彼らと私ども吸血鬼が好むものに共通しているものがあるのですよ。 ほら。アレです。 彼らとの茶会には決まって大きな桶を用意します。中には華を浮かべたたっぷりの赤いモノ。 それはそれはいい飲みっぷりで。 そんなドラゴンについておもしろいことを教えてあげましょう。
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