叶わない出会い

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 眠りから覚めると、自室で目を覚ました。 「良かった。昨日の記憶は残ってる」 そっと胸を撫で下ろし、リビングへと向かう。 「おはよう、母さん」 「おはよう、朝ごはんできてるわよ」  母さんとの挨拶を終えて、朝食を食べる。 「おはようございまーす!」 食べ終わる頃に、アンの元気いっぱいの声が聞こえてきた。 「また来たの?!」 「迎えてやりなさい、洋介」  母さんに促されて、アンを迎えた。昨日と変わらず、不釣り合いなほどに可愛い。 「じゃあ、お部屋に行ってるね!」  またまた昨日のように、アンは一人で二階へと走っていった。僕も母さんに一言入れて、アンを追いかける。  自室に入ると、アンが眉間に皺を寄せて、様々なポーズをとっている。 「こうか、いやこっちか」 「……何してるの?」 「そりゃ勿論、洋介くんに描いてもらうポーズを考えてるの!」  昨日あれだけ描いたのに、まだやるのか?!  僕が驚愕していると、アンは納得した表情を見せる。 「じゃあ、このポーズでお願い!」  それでも、彼女にお願いされたら断ることなんてできない。 今日も一日中、僕は筆を動かし続けた。
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