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「フゥー」
4時限目まで終わって今はお昼休憩。
5時限目スタートは1時間後らしく、たっぷり時間をとってくれるため、世界的にも授業の速さで有名なこの学園でも集中して受けられるらしい。
あ、もちろん有名なのは授業の速さだけって訳ではもちろんない。
……
………
…………
……………
「ハァー」
この学園は小等部から大学まであるから大体の人が小等部からの顔見知り。
そして僕は高等部から入ってきた外部生、そりゃ誰も話しかけてこないよね。だって仲良しグループみたいのがすぐできちゃったけど僕は話しかけることなんて出来ないんだから、ぼっちになる。
あっちの方のグループはLIME繋げたり、そっちのグループは購買かなんかで買ってきたものをわけ合いっこしたり。
…ちょこっと寂しい。
グゥーー
…でも腹はすく。
「食堂いこ…」
「HeyHey、そこの良さげな受けの二階堂くん、僕と昼食をともにしませんか?」
「…?」
「何やってんだ。普通に誘えよ」
急になんだろう…外部生でぼっちな僕へのこの学園に正式に入るための試験かなにかだろうか。
試験官は花野井くんともうひとりは確か…
「大君くん」
「大神な」
おしかった。
今回は正解に近かったと思う。
とりあえず謝ろう。正解に近いか遠いかとかどうでも良くて、聞いてなくて間違った僕に謝らない以外の選択肢なんてない。
「ごめん、途中からボケっとしちゃって自己紹介…」
聞いてなかったと言いかけてやめた。
田中太郎くんと二郎くんの自己紹介真面目に聞いたのにまちがってしまったから。
本当に申し訳ない。
「聞いてなかったんだろ?俺の名前は大神優心(おおがみゆうしん)だ。よろしくな」
ニコニコと差し出した大神くんの手をとり握手をする。
がたいがいい大神くんはもちろん手もがっしりしてて羨ましい。
僕の手は、頼りなくてひょろっとしててほっそりしてて……涙が出そうになる。
「どうした?」
「なんでもない。二階堂雪、よろしくね。大神くん名前かっこいい」
ニコニコの大神くんの気持ち3倍くらいの笑顔を作る。
「二階堂もいい名前してるじゃん」
「ありがとう」
いい人そう、良かった。
大神くんは裏表なさそうないい人、花野井くんは…悪い人では無いけどいい人というよりかは変な人みたいな感じ。
「フヘッ、グフッ、……ハッハッハッハッ」
あ、この人あれだ。変な人に収まりきれないタイプの人だ。
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