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「花野井どっか行っちまったから先に席取っておくか」
「そーだね」
こんなにも広いのにほとんどの席が埋まっている。全員が食堂で食べろと言われてる訳では無い。売店で買って食べてもいいはずなのになんで食堂に来たがるんだろう。
新しい場所に来ると色んなところ行ってみたくなっちゃうんだろうな。
僕は…誘ってくれたし、売店でなんか買っても食べる場所がないから食堂きただけ。
「何食う?」
「美味しければなんでもいいんだけど…」
やっと見つけた席につき、食べるものを考える。
正直美味しければいいというより、食べれればいいくらいな気持ちだからなんでもいい。
「じゃあ……ラーメンとか。美味しいって有名なんだ、ここのラーメン。」
「ラーメンにする。」
僕がそういうとテキパキとタブレットで注文をする。ちなみに大神くんは激辛味噌ラーメンにしていた。辛いの好きそうな感じするもんね。
「大神くん辛いの好きなんだね。」
「いや、苦手だ」
「…ん?」
「苦手だ」
「……」
じゃあなんでわざわざ激辛のラーメンを頼んだの?
好きなの食べればいいのに。
「俺辛いの苦手だから克服しようと思って!」
「…そっか、頑張ってね」
「おう」
意外に熱血なことが分かった。
ほんとに意外。
ダダダダダダダダッ
「LIMEゲットォ!」
「よかったね」
僕よりは身長高いけど、全体的にみれば身長低い人の分類にはいる花野井くんからどうやったらそんな足音が聞こえてくるのか疑問に思いながらこちらに着くのをまつ。
「王道学園を見たくて入学してきたらしいんだよ!めっちゃ語れる仲間ゲット!やっぱ自分だけだと好きなCPで考えちゃうけど新たな考えを知ることができるってとてもいいことですよね。」
最後のほうちょっと真面目キャラの学者みたいな言い方してるけど、彼はBLの話をしています。BLです。
……BLです。
「花野井くん何食べる?」
「王道主人公の代表料理、オムライスで☆」
「分かった」
僕も大神くんみたいに注文してみる。
操作は結構簡単だからスムーズにオムライスを見つけることが出来た。
けど……
「オムライス売り切れみたい…」
「そんな… 馬鹿な…オムライスが人気なわけない…だって主人公はいつもオムライス食べてたじゃん。やっぱ凡人と主人公差別ってやつだよね!」
「残念だったな」
つまり…花野井くんは主人公になりたいってことか。
そっか、そっか。可愛い顔してるし独特な雰囲気をかもし出してるだけで…いい人だと思うし…いけると思う、主人公。
「なれると思うよ、主人公。それで何食べる?」
「え、待って。僕は主人公だからってオムライス食べれるのはずるいって言ってるだけで、なりたいんじゃないんだ!凡人だってオムライスは好きなんだよ!」
「…?…何食べる?」
「わかってないでしょ!とりあえず僕は主人公になりたいわけじゃないからね!唐揚げ定食!」
「あ、うん」
「注文できた」
「ありがとう!え、ちょ、あの2人あ〜ん♡してる!え、尊い。背景に薔薇が見える」
壁、花柄じゃないけど…
「なぁ、二階堂。花野井って結局主人公?になりたいってことか?」
「えっと、本人はなりたくないって言ってたよ」
「そうだよな、ありがとう」
やっぱ大神くんも分かりにくかったみたい。僕だけじゃなくてよかった。
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