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ピーンポーン
「……」
ピーンポーン
「…………」
ピーンポーン
「……………」
ピーンポーン
ドンドンドンドンドン
「警察です。誰かいませんか?」
え、なんでうちに警察が?
お兄さん悪いことでもしちゃったかな。
勝手にドアを開けるなと言われてるから、どうすればいいだろうか。
ここ数年会社が上手くいってないからといって、イライラを僕に叩きつける。
毎日毎日僕のことを乱暴に抱いては殴って、暴言や愚痴を吐く。
まあ、殴られるのも、乱暴にされるのも慣れてるし今更どうとも思わない。
僕に八つ当たりするのでは気がすまなくて、薬物にでも手を出してしまったのだろうか。
それとも事件を起こしたとか?
ピーンポーン
ドンドンドンドンドン
「誰かいますよねー?」
さすがにお兄さんに言われたからって、警察の人には逆らえないかな…
髪の毛を少し撫でて整える。
ガチャ
「あの……なんですか…?」
「…!君は、早乙女雪くんかな?」
そういえば僕ってそんな名前だった。
お兄さんのところに来てからも名前を呼ばれることはほぼなかったため、自分の名前があったことさえ忘れてしまっていた。
「…はい」
「早乙女忠(さおとめただし)って人今いる?」
誰だろう。
でも、僕と苗字が一緒ってことは親戚とか?
あっ、お兄さんか、
初めて名前知った。
「今はいない、です」
「いつ帰ってくる?」
「多分、そろそろ」
会話が途切れる
だからといって話題を出す気はない
今の状況お兄さんに見られたら、お仕置コース決定だね。
そろそろ帰ってくるの分かってて開けた僕はほんとボカだなとつくづく思う。
「……雪くん。その首の傷どうしたの?」
「……」
これはお兄さんとヤッてた時に「首絞めプレイはナカしまっていいな」とか言いながら首絞めてきたやつの痕。
なんと言えば1番相応しいか。
「…えっと、「あの、うちに何か用ですか?」」
あ、お兄さん…
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