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(生徒会室)
いつもとは違って副会長からどす黒いオーラのようなものが溢れ出ていた。
それが自分たちに向けたオーラではないと分かっていても副会長のは怖い。
「なぜ彼はこないんでしょうね?」
「「「「…」」」」
「朝陽、その子終わったね」
「その子は生きて帰れるかな、夕陽」
「「…うん、無理だね!」」
副会長に聞こえたらどうしよう、なんて考えない怖いもの知らずな双子は全く来る気配のない彼を心配している。
全て悪いのは彼なのに。
校舎内だけの放送ではなく、学園が保持しているところ全体に放送したのにこない。
つまりガン無視されているわけだ。
そりゃ副会長も怒る、生徒会の言うことを無視するなんて百獣の王に喧嘩を売っているようなものだ。
「もう部屋で寝たのかもしれないからな、気にしないでおけ」
「気にしてるとかではなく、今日から門番をしてもらう言ったはずなんですけどねぇ?私の言うことなんていちいち覚えられないと?」
「いや、そういう訳じゃないんじゃないか?」
「じゃあなんなんですか」
「…。」
これ以上副会長にいえなくなり帰ってきた会長の背中は魔王に立ち向かった勇者そのものだった。
どこの誰かもわからないやつのせいで飛び火してくる可能性があるにもかかわらず飛び込んで行った会長にそこにいた他の生徒会メンバーは驚きを隠そうにも隠せずにいた。
なんて言ったって会長は副会長が良くないオーラを放っている時一番遠いところでひっそりと仕事をしているのだから。
「俺じゃあれは無理だ。あとは任せた。」
「「「「おいー」」」」
もう会長はいどめなさそうだ。
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