僕のこと

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「お兄さん…」 「雪、開けちゃったの?」 「……ごめんなさい」 「謝れて偉いよ。 で、警察がうちに何の用ですか?」 「ご近所さんから通報がありましてね?この子に虐待とかしてたりしません?」 「はぁー、する訳ないじゃないですか。マダマダ子供なのにそんなことできるとお思いですか?」 お兄さんったらほんと嘘が上手 お兄さんが嘘つく時、普通に笑う時より、ほんのちょっとだけ口角が下がって、眉が少し下がる 「そろそろいいですか?」 「あぁ、すみませんもういいですよ」 ビクッ 急に警察官に紙を渡される ちょうどお兄さんからは見えないところを狙ったのかな? 「殴られたり、蹴られたりしたら連絡してね」 ボソッと呟くように言った警察官はそのまま帰って行った そろそろかな 「雪、なんであけたの?」 「警察官は無視したらダメな気がしたから。ごめんなさい」 「許すわけ無くない?」 またか 何も感じない僕は何をされようと何も感じないんだからいいんだ。 警察官に言われたことなんて一瞬でもわすれて、渡された紙をすぐビリビリに破って捨てた
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