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「あ、あ…… ごめんなさい、私また失敗してこんなことに…… 」
「金城さん。失敗することは別に悪いことではないんだ。それに私の服も……こんな汚れくらい気にしないよ。大事なのは失敗を次に生かすことさ。原因を考えて、そこから対策を考えるんだ。 今回の原因も考えてごらん」
何を怒鳴られるのかと身構えたが、思ったよりずっと優しく諭されサキは逆に驚いた。
「ええと、足元の不注意です…… 」
「そうだね、じゃあ今度はどうしたらいいのかな」
「なるべく…… ぬかるんだところは通りません?」
「そう、それでいいんだ。他の失敗も一つ一つ考えるといいよ」
「ありがとう…… ございます。あの、そんなに簡単でいいんですか…… ?」
恐る恐る尋ねてみる。
「そうだよ。解決法っていうのは身近なところに転がっているものだからね」
サキはなぜこんなことが思いつかなかったのか!と衝撃を受けるのと同時に、彼に対して帰って欲しいだのなんだのと思っていた自分を恥じた。
「じゃあ、続きをしようか。片倉先生もあんまりがみがみ、それも皆の見ている前で叱っちゃいかんよ」
「はい……申し訳ありません、 私としたことがつい…… 」
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