第二話「謎の手紙」

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こちらに気づいた弘子はすかさず逃げようとするが、運悪く躓いて思い切り転んでしまった。サキは逃がさんとばかりに弘子のもとへ駆け寄る。 「ちょっと、どうしてここにいるの?」 弘子は倒れたまま、一度深くため息をついた後、こう発した。 「手紙のことが気になって覗きに来ちゃいまして……」 「……なんで場所が?」 「聞き耳立ててました」 ずっと自分たちを避けていたのにいつ聞き耳を立てていたのか。 「でも……敏子さん、あの人はいいお姉様ですね。明るくて、頼りになりそうで」 「はぁ」 「それにとっても雰囲気が素敵です、運がいいですよあなた! ああ羨ましい‼」 「……早く帰らないと怒られるよ」 延々と敏子を褒め続ける弘子の話をサキは適当に聞き流し、無理やり彼女を立たせると、引きずるようにして急いで教室まで向かうのだった。 「あらサッちゃん、弘子ちゃんも。遅かったわね」 「二人共、もうすぐ午後になるから早く準備してちょうだい」  教室に帰ると文代と峯子がいそいそと、珍しく行われる午後の授業の準備をしていた。 「うん」 「そういえば、敏子さんとはどうだった?」 ふと文代が尋ねる。 「それが……」
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