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しかし、これだけでへこたれるほど弱いサキでもない。ただ……こんな日が続きすぎているのだ。当然こういう子は目立つ。組では「まるでだめ」なんて噂されることもあった。文代も親友として慰めてこそいるが、最早どう慰めたらいいのか迷っているようにも見えた。
「ったく、今日は特に酷かったわ。級長は……特に金城さんに甘いのよ、もっとビシッと言わなくちゃ」
と、文代の隣で不満げにぼやいている糸瓜襟を着たおかっぱ頭は副級長の笹原峯子だ。級長副級長の仲として文代とはもちろん、文代と仲のいいサキともよく一緒にいてくれている。が、真面目な彼女からすると、サキのやらかしっぷりには我慢ならないところがあるようだ。
「まぁまぁ、私怒るの得意じゃないし……締めるばっかりじゃ良くないってこともあるのよ」
「級長……」
峯子は半分諦めたような表情で小さく息を吐いた。
「にしたって、なんとかやらかさないようにする方法を探さないとだめだよね……」
伏していた顔を上げてサキがそっと言った。
「サッちゃんは……そうやって慌てて失敗するんだから、ゆっくり見つけていけばいいのよ」
「そっか……そうだね!」
「級長また甘やかしてる!」
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