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……そんなこんなで午後の農作業が始まり、やがて難無く終わりを迎えた。唯一の「まだマシ」な分野でさえヘマをする私ではない。そう言わんばかりに気合いを入れて取り組んだ甲斐があったと胸をなでおろし、いつもの歩行隊にて隊列を組み行進しつつ帰路に就くのだった……。
そして夕飯時。芋ご飯やらその芋の蔦やらの食卓を囲む金城家では、サキの学校生活の話で持ち切りだった。
「それでね、どうしたら失敗しなくて済むかって話!」
「難しい事じゃねぇだろ、気にしなきゃいいんだ」
こう言うのは祖父の啓蔵。
「姉ちゃんはドジだからな! バカとドジは死ななきゃ治らないってよ!」
そう笑うのは上の弟の渉。下の弟、末っ子の茂はそうなの?と渉を見つめている。
「う……」
「コラ、お姉ちゃんになんてこと言うんです!」
母親のトヨが諌める。
「でも問題ね、なんとかしないと……」
トヨがため息をつくと同時に、突如けたたましいサイレンの音が鳴り響く。
「警報発令ー! 警報発令ー!」
外からは警報を知らせる声がする。
「け、警報!」
「ちぇっ、ご飯時なのに……!」
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