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花火は倒れ、震霆は口から煙を吐く。 「····が····ぁ····」    肺が潰れて呼吸ができない。  まさかこんな形で致命傷を負わされるなんて思いもしなかっただろう。  苦しくて地に膝をつき声が出せずに藻掻く。    霞む視界に映る倒れたままの花火を見てせめてこの女だけでもと···· 震霆は空に手を翳し落雷を落とそうとするが·····。 ----ドスッ。 「そのまま死んどけ」  背中に突き刺さる巨剣により震霆の身体は真っ二つになった。  バチバチと眩しいくらいに身体に電気が走り、身体が崩壊していく。  あぁ、結局。    死ぬ運命だったのか  震霆は己が死なない為に東から北に渡ったのに、結局どう転んでも死からは逃げられなかった。  そう絶望したまま消えていった。 「花火!」  凱楽と共に来た翠が急いで回復術を施す。  かなりの量の血を流して内臓も破裂。骨も何本かいっている状態だろう。 「···········」  いくら回復したところで右腕は戻らないし腹と背中は痕になるだろう。  それ以前に損傷が激しい内臓の修復は翠だとしても絶望的に難しいかもしれない。  花火は念話で翠に話しかける。   「············分かった·····」  グッと歯を食いしばった翠が花火に行っていた回復術を止めた。  そして別の術を施す。 (·············ありがとう)  花火は眼を瞑る。  翠が施した技は痛みを和らげる術だ。  眼を瞑り眠る花火の身体は少しずつ火の粉へと変わっていった。
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