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桜が 嫌い
だって 綺麗だから
大好きだったお姉ちゃんが
死んだ日も綺麗に咲き誇ってたから
あの人が優しい目で見上げるから
懐かしそうに 愛しそうに
風に舞う花びらを目で追うから
毎年 満開の桜の下
あの人が桜を見上げてる
私は聞く
まだ忘れられないんですかって
あの人は
静かに目を伏せて うん、て
……やっぱり嫌い
今年もその日が来た
変わらない後ろ姿に近づく
今年も私は聞くの
まだ忘れられないですかって
それから
今年こそ聞いてみる
私じゃダメですかって
お姉ちゃん ごめんね
これ以上 桜を嫌いたくないから
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