rainy star

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*****  どのくらい経ったのだろう。  ほおっと息を吐く。折り曲げて抱えた両方の膝の丸い部分が、一時(いっとき)だけ白く染まった。空気は湿ったにおいを漂わせ始めている。きっと、もうすぐ雨が降るのだ。  私は一年のうちのほとんどを、キャミソールにパーカーにジーンズ、それに裸足っていう格好で過ごす。そのくらいしか服を持っていないせいもあるけど、あんまり外に出ないから、それで事足りてしまうのだ。でも、このまま夜通し冬の室外にいたら、雨に濡れたら、間違いなく凍えてしまう。  パパはそうなってもいいって思ったってことだ。  でも、凍死なら眠るように意識を手放せると聞いたことがある。眠ったまま命の()が消えて、私は星になる。それもいい。それでいい。  今夜の空みたいな、重く垂れ込めた雲の上に隠れた星になって、誰からも焦がれられたい。  じんじんと(うず)くのは、熱いシチューを被った額だけだ。
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