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devil
翌日。朝と呼ぶには遅い時間に布団から出て、キャミソールにパーカーを羽織り、ジーンズを穿く。水で顔を洗って、ヘアブラシで髪を二、三回とかすと、私は外に出かけた。
買い物をするためだ。パパと二人で食べる今週分の食料を、スーパーに行って調達してこないとならない。
昨夜、パパはお酒の臭いをプンプンさせながら、夜遅くに帰ってきた。
布団の中で緊張していた私には目もくれず、並んで敷いた布団にもそもそと潜ると、お風呂も入らずに大いびきで眠ってしまった。
そして、朝は私が起きるより先に、何事もなかったかのように仕事に出かけて行った。
脱衣所の床には、汚れた下着と靴下。私が元に戻しておいたテーブルの上には、千円札が何枚か無造作に投げ置かれていた。
私は一週間に一度、そのお金で買えるだけの食料を買う。決して多い金額じゃなく買える量には限りがあるから、献立は工夫する必要がある。買い物のあとは料理。合間に洗濯と掃除。まだ義務教育の年齢だけど、学校には行かない。行っている暇なんてないし、元々行きたいとも思わない。
いつものことだ。すべて、いつも通り。
今さら驚くことも、悲しむこともない。
これが、私の日常。
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