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ある日の朝。僕はいつも通りに早朝に目覚める。あの日と変わったことといえば、借りているDVDがあることや漫画などの本が増えたことだ。全体的に僕の家は明るくなったと思う。それも彼女のおかげなのだと僕はつくづくそう実感していた。
朝食を作り終わると僕は席についてテレビの電源ボタンを押してそれに目を向けるとそこには何故か美琴の写真が映し出されていた。
「次のニュースです。先月起こった○○研究所の殺人事件では、新たに亡くなった暁裕二さんらが違法な実験をしていたことが分かり、行方不明だった羽衣石美琴さんが実験に関与して裕二さんを殺害し、何らかの理由で亡くなった可能性があると見て調査しています」
それは驚愕すべき内容だったー。え?……美琴が兄さんをー……。それに美琴が兄さんと一緒に違法な実験をしてたなんて……。……これは、う、嘘だよな。と僕が動揺しているのをお構いなしにニュースの音声は止まることなく淡々と続ける。
「研究所では研究に関するファイルがあり、「因果応報で生まれ変わる」と書かれていたようです。」
……え?因果応報…?
「この卵はね面白いの。因果応報で決まるんだよ」
……まさか、もしも美琴が死ぬ寸前に何らかの方法で卵に生まれ変わったんだったら…。僕は脳裏にあの美琴の言葉が繰り返し流れているのに気が付いた。
「悪い事をした人は極悪人として卵のからを破るんだよ。もしかしたら怪物になっちゃうかもね」
あの卵は一体ー
そう思ったその時、
「パキ…パキパキパキ………」
という卵が割れる音が聞こえた。
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