桜の花びらの、そのあとを

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そのあとのクラス発表で、君野くんとは別々のクラスになったことを知った。 喉ぼとけがはっきりとしていて、前髪が切りそろえられていない、背の高い男子だった。 部活はバレー部かバスケ部で、いつも放課後は体育館から君野くんの低くてやわらかい声が聞こえていた。 私が君野くんについて知っていることは、それくらいだった。 それでもあのとき声をかけてくれたのは、一年生のときに同じクラスだったからだ。毎日の退屈な授業も、体育祭も文化祭も、同じクラスのなかに私と君野くんはいた。 別に私にとって、特別な存在だったわけじゃない。 君野くんよりももっと仲の良い男子はたくさんいたし、好きな人も別にいた。 でも高校3年生の春に、この桜並木の下で声をかけてくれたこともあって、なぜか今日は君野くんのことを思い出していた。
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