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「ほんと、こんな美味しいカレー、久しぶりに食べたわ! 思春期病棟で出るカレーったらひどいものよ」
喜んでいただけて光栄ですー! と椿にとろが喜んだ。
「神田神保町を思い出させる味ね……そうね……どこかしら……グァテマラが近いかしら」
グァテマラは、もともとそういう名前の喫茶店だったのが、なぜかそこで出すカレーが受けたので今ではカレー専門のお店になっている。神保町を代表する味の一つ、といってもおかしくはない。
樫村しのぶや〈アンティセプティック・チーム〉の隊員はグレー系デジタル迷彩の戦闘服のまま、椿にとろのカレーをいただいている。
樫村しのぶは、椿にとろの作ったカレーをお替わりした。唐辛子などの追加スパイスは最大、それでも美味しそうに食べている。
「治子さんは凄いわ」
そう言われて、ちょうどカレーを食べ終えた治子は度肝を抜かれてしまった。な、なんでです……!?
言わないとわからないかしら? と樫村しのぶ。──これまでも時折、ナイフの訓練に呼び出されたことがあるの。向き不向きもあるでしょうが、一番重要なのは粘り強さよね、努力っていってもいい。治子さん、途中からの殺気は凄かった。こんなことをいうと僭越だけど、わたしに数秒差で……なんて子いままでいなかったわ。
そうだ、としのぶは思い出した。
「〈アンティセプティック・チーム〉ではどこのナイフを採用しているのかしら?」
やはりお替わりをしてカレーを食べていた小佐野隊長がスプーンを食器のふちに置いて答えた。
「アルマーです、基本的に小ぶりなシークレット・サービスを使っております」
「普段遣いにもあれはいいナイフよね。ただ、これからはもっと刃が大きく、トップスかSOGの固定刃をお勧めするわ」
わかりました、と小佐野隊長。
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