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まだ中等部、部隊は〈コットンキャンディ・チーム〉だった。
一面雪に覆われた杉の林。
パラシュートを外そうとしているときにはもうAK-47を持った敵兵に囲まれていた。
パラシュートはナイフで無理やり外され、しのぶは冬季仕様の戦闘服を着た敵兵数人にかつがれ、近くの小屋に運び込まれた。
「Are you familiar with the Geneva Conventions?」(ジュネーヴ条約は知っていて?)
震える声でしのぶがなんとか声を絞り出すと、股間を膨らませた敵兵の分隊長らしき人物が「Конечно! (カニェーシュナ!)」と答えた。
おとなしくしていればいいのか、味方の情報をしゃべらされるのか──。
予想とは異なり、敵兵は力ずくでしのぶの戦闘服を脱がした。しのぶは床に押し付けられ、胸も性器も丸見えにされた。
いざ口を犯されるのなら、しのぶは男性器を噛みちぎる覚悟でいた。
そのときだった。
カシュカシュっとサイレンサーを着けた銃ならではの音がして、ドアの蝶番が破壊され、分隊長がフラッシュ弾を部屋に投げ込んだ。しのぶも強く眼をつぶる。ふらふらしている敵を隊長含め四人が撃つ。
「大丈夫っ?」
隊長が心配そうに覗き込んだ。
なんとか、としのぶは答えるので精一杯だった。
残りの一名、敵兵は椅子に縛り付けられた。
地図を広げ、どこに味方がいるのかマークさせようとした。だが、敵兵は手を動かさない。
遊んでいるんじゃないのよ、と分隊長が苛立つのと、しのぶがナイフを取るのが同時だった。
「どうせ教えてくれないわ」
「そうかもしれないわね」
「ならいいですよね?」
隊長がうなずくとしのぶは即座に敵兵の股間にナイフを突き立てる。
そう、今、起こしている軍事行動は、戦闘へ行った先で略奪や強姦をするので有名な国のICBM基地を無力化するものだった。しのぶの神経のなかでアドレナリンが大量に分泌された。強姦まで……。
怒りに燃えたしのぶは躊躇なく敵兵の頸動脈をぶった切った。作戦自体は成功したものの、しのぶはPTSDと診断された。
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