愛おしい彼女 side 大雅

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「東城先輩、展示品作成、手伝います。夏休みに建築模型、仕立てきます。材料、実家の廃材でなんとかなります」 U35の最終選考に選ばれるも、展示会に出席するのは難しい状況だった。 9月の終わりから展示会最終日の次の日まで拘束されるから、2週間、リモート対応で仕事を行わないといけないのと、開催日2ヶ月前なのに展示品などの準備を全くしていない。 U35の展示会に毎年行ってるらしく、最終選考通過したThe和の温泉旅館の設計図面データを莉乃に預け、一任した。 9月中ばに完成した展示品一式は素晴らしい出来だった。 発表のためにUnityを使ったVR映像まで作成してくれていて、とても助かった。 U35の展示会にアシスタントとして参加してくれて、展示だけでなくブース内のセッション対応も引き受けてくれて、心強かった。 「勉強になるので、いつでも言って下さい。手伝いますから」 莉乃の優しさの勉強熱心な所に漬け込み、面倒な強度計算や材料の量計算を押し付けた。 「東城先輩、野垂れ死にますよ!!」 多忙を理由に独り暮らししているマンションの掃除やご飯の世話までして貰った。 莉乃の存在が俺にとって必要で、莉乃が側にいないと落ち着かなくなるぐらいに、彼女は俺を甘やかし、支えてくれた。
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